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【GenU完全攻略 #1】GenUとは?——RAG・Agent・Bedrockとの違いを整理する
2026-03-20#AWS#GenU#Bedrock#生成AI#入門

【GenU完全攻略 #1】GenUとは?——RAG・Agent・Bedrockとの違いを整理する

AWSが公式に出しているOSSの生成AIプラットフォームがある——それがGenU(Generative AI Use Cases JP)。

「Bedrockは知ってるけどGenUは聞いたことなかった」という人向けに、何ができてどう使うのかを整理する。


GenUとは

GenUはAWSが公式に公開しているOSSのプロジェクトで、AWSのGitHubリポジトリで管理されている。

特徴は「CDKで自分のAWSアカウントにデプロイするだけで、生成AIアプリが動く状態になる」こと。チャットUI・RAG・Agentが最初から組み込まれていて、Bedrockと繋がった状態で動く。

git clone https://github.com/aws-samples/generative-ai-use-cases-jp
cd generative-ai-use-cases-jp
npx cdk deploy

これだけで自前のAWS環境に生成AIプラットフォームが立ち上がる。

ゼロから作ろうとすると、フロントエンド・認証(Cognito)・API・Lambda・Bedrockとの接続・RAGのナレッジベース設定……とかなりの量になる。GenUはそれが最初から揃っている。


GenUとBedrockの違い

混乱しやすいのがBedrockとの関係。

Amazon Bedrock
└── モデルを呼び出すAPI基盤(Claude・Llama・Titanなど)

GenU
└── Bedrockを使うアプリ一式(UI・認証・RAG・Agent込み)

BedrockはAIモデルを呼び出すための「インフラ」。GenUはそのBedrockを使って実際に動くアプリを丸ごと提供する「プラットフォーム」。

Bedrockだけ使う場合は自分でUIや認証やAPI設計が必要になる。GenUを使う場合はその部分がすでに揃っている。


GenUの2つのAI機能:RAGとAgent

GenUには生成AIの使い方が2種類ある。

RAG(Retrieval Augmented Generation)

ドキュメントを事前に登録しておいて、ユーザーの質問に対して「登録したドキュメントをもとに回答する」仕組み。

ユーザーの質問
↓
Knowledge Base(登録済みドキュメントをベクトル検索)
↓
関連する文書を取得
↓
LLMが文書をもとに回答を生成

向いているユースケース:

  • 社内マニュアルや規定を検索して答える
  • FAQに自動回答する
  • 製品ドキュメントを検索して質問に答える

Agent

LLMがツール(Lambda・API・データベースなど)を呼び出して、複数ステップのタスクを自律的に実行する仕組み。

ユーザーの指示
↓
LLMがどのツールを使うか判断
↓
ツールを呼び出して結果を取得
↓
必要に応じてさらにツールを呼び出す
↓
最終的な回答を生成

向いているユースケース:

  • 「今起動しているEC2を教えて」→ AWS SDKを呼び出して一覧を取得して回答
  • 「売上データを集計してメールで送って」→ DBアクセス+メール送信を連続実行
  • 複数の外部APIを組み合わせた処理

RAGとAgentの使い分け

RAG Agent
何をするか ドキュメントを検索して答える ツールを呼び出してタスクを実行する
データの場所 Knowledge Base(S3に置いたドキュメント) API・DB・Lambda
実行できること 検索・回答生成 検索+外部操作
向いている場面 「〇〇を調べて答えて」 「〇〇をやって」

「情報を引き出したい」→ RAG
「何かを実行してほしい」→ Agent

AgentはRAGをツールの1つとして組み込めるので、「調べて+実行する」も作れる。


GenUのユースケース

実際にGenUで作られるシステムの例。

社内ドキュメント検索
社内規定・マニュアル・議事録をS3に置いてRAGで検索。「有給の取得ルールは?」に社内規定をもとに答える。

FAQ自動応答
製品のQ&AドキュメントをKnowledge Baseに登録。問い合わせフォームからの質問に自動回答する。

AWS操作エージェント
「コスト高いリソースを教えて」→ Cost ExplorerのLambdaツールを呼び出して集計・回答。運用担当者向けの自然言語インターフェース。


GenUの構成イメージ

デプロイするとこういった構成がAWS上に出来上がる。

フロントエンド
└── CloudFront + S3(Next.js)

認証
└── Amazon Cognito

バックエンド
├── API Gateway
└── Lambda(リクエスト処理)

AI基盤
├── Amazon Bedrock(モデル呼び出し)
├── Knowledge Base(RAG用)
└── Bedrock Agents(Agent用)

自分でゼロから構築するとCognito設定・API Gateway設計・Lambda実装・Bedrockとの接続……と数週間かかる。GenUはこれが最初から動く状態で手に入る。

カスタマイズしたい部分だけ手を入れる使い方が基本。


まとめ

  • GenUはAWS公式OSSで、CDKでデプロイするだけで生成AIプラットフォームが立ち上がる
  • BedrockはモデルAPIの基盤、GenUはBedrockを使うアプリ一式
  • RAGは「ドキュメントを検索して答える」、Agentは「ツールを呼び出してタスクを実行する」
  • 「調べて答える」ならRAG、「何かをやってほしい」ならAgent

次回はGenUをデプロイしたときに出来上がるアーキテクチャを詳しく図解する。


次回:第02回——GenUのアーキテクチャ・全体構成とデータフローを図解する